神棚封じと呼ばれる行い
家族の中で不幸が生じたときに、その家の中に祀ってある神棚に白い紙を貼るというのは、「神棚封じ」と呼ばれている行いです。
厳密に言うと、通常は神棚は開いた状態にして家の中に祀られていますよね?
不幸が生じたら、その扉を閉じた上で、その閉じた扉のところに白い紙を貼るのが神棚封じの正しいやり方です。
自宅でもこの神棚封じを行いますが、もし会社やお店の中にも神棚があって、その関係者が亡くなった場合にも、会社などに祀ってある神棚を封じることになります。
もし、不幸があった場合に、その故人に関係するところに神棚があることに気づいたら、同じようにしてあげましょう。
死を穢れとみなす神道の教えに基づく行い
神棚は神道のものですので、神棚封じという行いももちろん、神道の考え方に基づいています。
神道では、死は穢れとみなされていて、神様に触れたり近づいたりしてはいけないものとされています。
そのため、家の中で誰かが亡くなってしまった場合、その穢れが神が宿る神棚に入ってこないように、その扉を閉じるのです。
そして、その神棚を封印して、死の穢れから守るという意味で白い紙を前面に貼ります。
白という色は、死装束が白であることからも分かるように、神聖な色で死の穢れを寄せ付けず、浄めるという力があるとされています。
そのため、どんな紙でも良いというわけではなく、白色の神で封じる必要があるんですね。
神道で言う穢れとは、汚いという意味のけがれとは若干異なります。
あくまで故人は尊厳を持って扱われるもので、決して遺体が汚れているということを指しているのではないのです。
むしろ、愛する家族の死によって、家族は落ち込んだり悲しい気持ちになるため、その落ち込んだ霊が神様に影響することがないようにという意味で、死を穢れと呼び避けているのです。
具体的にどのように神棚封じを行うか?
不幸が起きたら、もしくはその連絡を聴いたら、すぐに自宅にある神棚に白い紙を貼るようにしましょう。
少なくても、ご遺体が自宅に到着する前にすることが肝心です。
白い紙はとくに決まったものがあるわけではありませんが、和紙などの上質のものを使いたいものですね。
そして、紙は画鋲などで留めることがないようにして、テープのようなもので軽く貼るようにしましょう。
以前は、神職の人など家族以外の人が白い紙を貼るという習慣がありましたが、現在では特にそのような決まりはなく、家族の誰かが貼ることが多くなっています。
こうした習慣は、地域によっても若干の違いがありますので、不安がある時には、神職の方や地元の事情に通じている人に聞いてみることができます。
不幸に伴って行われる宗教的な行いは多いので、その意味と正しい行い方を覚えておきましょう。