仏教とは異なる儀式
仏教では故人の冥福を祈る儀式として亡くなってから7日ごとなどの節目に法要を行ないます。
日本では仏教式の法要を行う方が多い中で宗教ごとの決まりが知りたいという方や仏教以外の宗教を信仰している場合にはどうなのだろうかと疑問を感じる方も多いです。
法要や法事という呼び方は仏教特有のもので、その他の宗教については異なる呼び方の儀式が存在しています。
ここでは神道とキリスト教式の儀式についてご紹介します。
神道の場合
神道では霊前祭または御霊祭と呼ばれる儀式を行ないます。
仏教では7日ごとに法要を行っていますが、神道では御霊祭を亡くなってから10日ごとに行っています。
会場は神聖な場所である神社で行うことはなく、自宅や斎場などで行われることになります。
祭壇には故人が生前に好きだった食べ物などをお供えして神官に祝詞奏上や玉串奉奠という神事を行う流れになります。
亡くなってから最初に行われる御霊祭は、十日祭で仏教式の初七日法要と同様に遺族だけでなく親族や親しい友人などをお招きして儀式を行ないます。
二十日祭については省略されることが多く、三十日祭は仏教式の三十五日法要に該当します。
四十日祭についても省略されることが多く、その後の五十日祭は仏教式の七七日法要に該当して、この日をもって忌明けになります。
五十日祭という節目を持って御霊が神様になるという大事な日になり、これまでは偲び手だったのが通常の柏手になります。
その後については百日祭、式年祭という流れですが、式年祭も仏教式と同様に一年祭などが命日に合わせて実施されますが、一、三、五、十年祭については特に盛大に行うのが特徴です。
キリスト教の場合
キリスト教はプロテスタントとカトリックにより異なるのでそれぞれの違いを把握しておきましょう。
プロテスタントは亡くなってから一週間から10日目か1ヶ月目に自宅または教会で記念集会が行われます。
その後に1年目、3年目などの昇天記念日に記念集会が行われることになります。
カトリックの場合は亡くなってから3日、7日、30日目の節目に合わせて追悼ミサが行われます。
1年後の昇天日に行われるミサについては規模が大きくなりますが、その後は毎年追悼ミサを行う場合もありますし、10年目や20年目に合わせて大きな追悼ミサを行うこともあります。
この他にも11月2日は死者の日と定めており、死者のために特別ミサが実施されています。
宗教ごとの違いを把握することが大切
このように宗教によって儀式のタイミングや内容が異なるため、自分が慣れ親しんでいる宗教とは違う儀式に参列する際には戸惑う場合もあるでしょう。
実際に参列した際に正しい儀式の行ない方を把握していなければ失礼にあたるので、あらかじめ正しいマナーを把握しておくことをおすすめします。