古くから続く天台宗の葬儀
天台宗は仏教の宗派の一つで、長い歴史をもっています。
仏教のさまざまな宗派の中でも特に長い歴史がありますが、平安時代に最澄という人物によって開かれました。
最澄は学校で習う歴史の教科書にも登場するため、名前を聞いたことがある人は多いはずです。
天台宗は「大乗仏教」という種類のひとつとされています。
大乗仏教の大乗とは「大きな乗り物」を指します。
大乗仏教は大きな乗り物に例えることができ、「たくさんの人を救うことができる宗派」として広まりました。
これの反対にあたるものが「小乗仏教」であり、最澄は仏教によって多くの人が救われるようにと考えたのです。
天台宗の葬儀を行う場合、天台宗で決められたルールやマナーを守る必要があります。
また、天台宗の葬儀は全体の流れも決まっているため、これに沿って執り行う必要もあります。
ここでは、天台宗の葬儀について紹介します。
きちんと基礎知識を学ぶことで、失礼のない葬儀を行うことができるはずです。
ぜひしっかりと確認しておきましょう。
天台宗の葬儀の流れ
まずは天台宗の葬儀における、全体的な流れを紹介します。
最初にお通夜が行われますが、天台宗では以前に「剃度式」というものが行われていました。
剃度式とは、亡くなった人に水をかけたりお香の煙を使ったりして、清めることを指します。
また、昔は故人の髪を剃ることもありましたが、現在はこうしたことはあまり行われていません。
ただし、水やお香を使ったお清めは今でも行われています。
お通夜が行われた後は、葬儀が行われます。
このときには音楽をかけ、楽器を鳴らして故人の成仏を願ってお祈りを行います。
このときに使う楽器は打楽器であり、叩いて音を鳴らす楽器です。
また、棺を閉じるときには、天台宗ならではのお茶を使用する儀式を行う風習があります。
故人の棺の蓋を閉めるときにお茶を淹れる道具である茶器を備えるのです。
こうした儀式が行われた後、住職の方が読経を行います。
そして火葬へと進みます。
これが天台宗の葬儀の全体的な流れです。
全体像を把握しておかないと、特に自分が葬儀を執り行うときに慌ててしまうことがあります。
そのため上の内容を、しっかり理解しておきましょう。
天台宗の葬儀で気をつけること
天台宗の葬儀で気をつけることとして、焼香の仕方があります。
天台宗における焼香の回数は、3回と決まっています。
1回でも2回でも失礼にあたってしまうため、必ず回数を守って焼香をするように気をつけましょう。
また、焼香をとるときには右手を使い、親指、人差し指、中指の3本でとります。
このように天台宗の葬儀では、気をつけるべき点があります。
マナーとしてしっかり押さえておく必要があるため、ぜひ覚えておいてください。