曹洞宗とはどのような宗派なのか
曹洞宗とは禅宗の宗派のひとつです。
中国から日本に伝わりましたが、伝わった時代は鎌倉時代です。
また、曹洞宗を日本に伝えたのは、道元という人物です。
総本山は福井県に位置する永平寺、神奈川県横浜市にある総持寺というお寺です。
曹洞宗を信仰する人は、これらのお寺を訪れることが多いです。
曹洞宗の特徴として、「座禅」を大切にするということが挙げられます。
曹洞宗には只管打坐と呼ばれる言葉があり、これはとにかく座禅の継続が大切ということを説くものです。
曹洞宗において座禅はとても重要視されており、日々座禅をしながら生活することで、この宗派の教えを守っているということができます。
曹洞宗の言葉にもうひとつ「禅戒一如」という言葉がありますが、これは座禅を通して得た学びや気づきから、日々の生活に良い影響が現れることを意味します。
座禅を続ければ生活が向上し、死を迎えるときにも安心してあの世へ向かうことができると考えられているのです。
このように曹洞宗には、ほかの宗派と異なる特徴があります。
葬儀を執り行うときには、こうした特徴を理解しておくことが大切です。
曹洞宗における葬儀の流れとは
曹洞宗の葬儀を行うときには、以下のような流れで進みます。
まずは「剃髪」を行います。
これは住職や僧侶の方が、故人の髪の毛を切る儀式です。
曹洞宗ではこれからあの世へと向かうにあたり、髪を剃るのが通例となっています。
そしてこの後に授戒というものを行います。
授戒にはきれいな水に手を向ける「酒水」などの、大きく分けて5つの儀式があり、これを順番に行います。
授戒の後には入管諷経というものを行います。
これはお経を読み、焼香を行うものです。
他の宗派でもこれらは行われますが、曹洞宗では入管諷経という名称がついています。
次に龕前念誦というものが行われ、さらに挙龕念誦というものも行われます。
挙龕念誦は太鼓などの楽器を鳴らす儀式です。
これを行うことで、故人の方をあの世へと送り出すことができるのです。
さらに続いて、引導法語というものが行われます。
これは僧侶の方が漢詩を読むことで故人の人生を表現して、悟りの世界へと誘うことを指します。
悟りの世界へと誘うことを「引導」と呼びます。
最後に出棺をします。
曹洞宗の葬儀は、以上のような流れで行われます。
しっかりと理解しておきましょう。
曹洞宗の葬儀での礼儀・マナー
曹洞宗の葬儀で気をつけたいことに、焼香の仕方があります。
焼香は2回となっており、焼香台へ進んで2歩か3歩ほど手前で立ち止まり、一礼します。
そしてこの後に2回の焼香をします。
この流れを守らないとマナー違反にあたるため、十分気をつけて焼香を行いましょう。